国民のための党
ベトナム共産党の正式名称はダン・コン・サン・ベトナム(Dang cong san Viet Nam)。その目標は、「国民への奉仕」(現職ノン・ドゥク・マイン書記長)である。
ドイモイを経て
結党は1930年2月3日に遡り、インドシナ共産党、ベトナム労働党と名を変え、1976年に現在の名称となった。1986年の第6回共産党大会で、経済改革を目指すドイモイ(刷新)政策が採択されたことは余りにも有名。
世代交代の流れ
共産党員は現在310万人で、2005年時点での新規加入党員の平均年齢は29.5歳と若返りがわずかに進む一方で、入党審査では人民委員会からの推薦状の有無など、個人の才能や人間性と関係ない質問も多いという。
グエン・タン・ズン首相が新たに選出された第10回共産党大会について、海外メディアは世代交代が進んだとして好意的に報じた。同大会には1180名が参加、このうち女性は11.5%、少数民族は13.2%を占める。
ちなみに閉幕の辞は「ベトナム共産党万歳! ベトナム社会主義共和国万歳! 偉大なるホー・チ・ミン主席よ永遠に!」で結ばれた。
汚職撲滅に向けて
第10回大会のテーマは“党の能力および闘争力向上、全国民の能力発揮、全面的な改革促進、発展途上国からの早期脱却”だった。いささか大時代がかった「党の能力および闘争力向上」も致し方のないところで、近年頻発する公的機関要職者による汚職問題対策も含め、党内改革が焦眉の問題である。
党内の“規制緩和”
政治的に経済成長を最優先するなか、現在は不可である共産党員による個人事業に関し、解禁を求める動きも古参幹部を中心に党内に存在する。党員による個人事業が国益に適うというのがその主旨だ。ベトナム戦争を戦い抜いた“英雄”的なイメージだけで、ベトナム共産党を解読することはもはや難しい。
ベトナム共産党ウェブサイト www.dangcongsan.vn/