バックリウ省ドンハイ県ロンディエン村で嘘のような事件が起きた。
60歳を超える年配女性Xは仕事熱心で知られていたが、好奇心が旺盛過ぎることが玉にきずだった。村のことでXが知らないことはなく、耳にしたことは会う人、会う人に話してしまう。そのせいで人を怒らせたこともあるが、これまでは皆水に流してくれた。だが先頃Xは、とうとう訴えられてしまった。
Xの証言によると、ある日の早朝4時、いつも通り市場に野菜を売りに行き、Dの家を通りかかるといつもと違う笑い声がした。家の扉に近づき、そこにいるのがD夫婦でないと感じたXが窓のすだれを引き中を覗くと、Dが夫と違う男性と抱き合いキスをしている。
その男性が妻子持ちのQだと確信したXは、「そこにいるのはDとQかね?」と声を上げた。密会を台無しにされたDは激怒、Xと言い争った後に「覗き見犯」Xを殴った。
Xは地域の役所へ行き、DとQの密会と殴られたことを訴えたが、証拠不十分とされDとQも事件を否認した。だがしばらくしてこの出来事が人々に広まったため、名誉を傷つけられ、信頼と幸せを失ったとしてDとQが関連当局にXの法的な処分を申し出、Xは名誉毀損で起訴された。
ドンハイ県人民裁判所は禁固1年と精神的苦痛の賠償金として100万ドン(約63ドル)の支払いを言い渡したが、DとQが抱き合うのを確かに目撃したとしてXは控訴。先頃、バックリウ省人民裁判所は一審と同じくXを有罪にしたが、高齢と革命貢献者であることから警告処分に処した。