海外出張から帰国して、ホーチミン市・タンソンニャット空港のタクシー乗場に向かった。
大勢が長い列をなし、順番を待っていたが、私の番になり係に行き先を聞かれたので、バイヒエン十字路付近と答えた。しかしはっきり聞こえていたはずなのに、係は無視、後に並んでいたほかの客に行く先を聞いた。
20分以上待ち、結局ビンタイン区に帰る同僚に相乗りさせてもらうほかなかった。
空港から自宅までの料金は8万ドン(約4ドル)ほど。空港使用料を合わせ約10万ドン(約5ドル)だが、大抵チップを乗せて12万?13万ドン(約6?6.5ドル)払っている。しかしそれでも彼らは不満そうに金を受け取り、キャリーケースを乱暴に投げ捨てることもある。
この話をあるタクシードライバーにすると、空港での待機時間が長く、1回並べば2時間以上待たねば順番が回ってこないためだと言う。これに対し1日のノルマが大きなプレッシャーとしてあり、1日150万ドン(約75ドル)の売上を会社に納めなければ、給料は計算されず、この額に満たなければ、ペナルティが科されるのだと言う。
空港での待機時間は非常に長く、それで近距離に行くならノルマは達成できない。そのため彼らは、近距離の客を“無視”することが多いのだそうだ。
(ホーチミン市在住ミン・ニャットさん)