地球物理院(ベトナム科学技術院)は、ベトナムにおける津波の研究を行っており、ゲアン省の沿岸部に地質的な異常があり、多数の貝が含まれている地層が見つかっている。
最近の調査では、津波が4,500?4,300年前、4,100?3,900年前、900?600年前と3回起きている可能性があることがわかっている。
地球物理院カオ・ディン・チヨウ准教授によると、院の科学者らはクインヴァン村、ギーティエン村、ジエンチャウ町で貝が堆積している場所を発見、ギーティエン沿岸部にある砂州の4,500?4,300年前の地層で見つかっている貝の堆積は、古代人が捨てた貝殻による貝塚か、何らかの物理的現象によりできたものか説明がつかないという。
これらの古い津波の跡に関する発見や研究は、ベトナムでも地震や津波が起こりうることを示すものである。チヨウ氏によると、マニラ海溝でマグニチュード(M) 9程度の地震が起きれば、ゲアン省沿岸は最大7mの津波に襲われ、またカー川断層に沿った北中部沖でM7.5の地震が起きれば、ジエンチャウ町は10mの津波に見舞われる可能性がある。
津波の跡の調査による過去の津波の研究は、地球物理院とロシアの専門家とのあいだで2005年から行われている。