公安省は9月29日、政権転覆行為でファム・ミン・ホアン(1955年生、ベトナム、フランス国籍)を逮捕、取調べを行っていることを明らかにした。取調べでホアンは、フランス留学中の1998年頃に、同国で反動組織「Viet Tan」に勧誘されたことを認めている。
公安当局によると、「Viet Tan」は1980年頃にアメリカで傀儡の海軍元提督ホアン・コ・ミンが旧体制の一部士官らと設立したテロ組織で、ベトナム社会主義共和国打倒を活動目的に掲げている。1982?1989年に「Viet Tan」は複数回にわたってテロ活動を行うため武装グループをベトナムに侵入させているが、いずれもベトナム当局によって阻止、逮捕されている。
公安当局によると2000年、組織の計画実行のためホアンはベトナムに帰国、政権転覆を目的とした活動のためホーチミン市工科大学の契約教員となった。
2002年7月?2010年5月にホアンはファン・キエン・クオックというペンネームで、党や国家の方針、政策を歪曲した文章を書き、反国家宣伝を目的としてインターネット上に掲載するため、「Viet Tan」にこれを送り、また勢力拡大やホーチミン市での司令部設置について、自宅で何度も会合を持っていた。組織に若者や学生を引き込む活動も同市で行っていた。2009年11月にホアンは妻とマレーシアで行われた「Viet Tan」の訓練に参加している。
公安省捜査安全機関のグエン・スアン・ムン大佐は、ホアンの逮捕はベトナムの規定に則ったものだとしている。