日本人はもともと、サッカーをスポーツの王様とは見ていないが、開催国ではないワールドカップでベスト8入りするチャンスがあったということで、ホーチミン市に住む日本人は誘い合って店を訪れ、声援を送った。レタントン通りの日本料理店はどこも日本人グループの姿があり、最も多かったのがカラベルホテル横のレストランLion、100人ほどの日本人が集まっていた。
Midoriさんはサッカーについて何も知らないそうだが、それでも同郷の人々と一緒に幸せな瞬間が訪れるのを待った。「ベトナム人の同僚は本当にかわいい。『早く帰って応援しないと』ってせかしてくれて。みんな神様はきっと日本を勝たせてくれると言ってくれた。私たちはひとつの家族。ベトナム人が侵略に勝てば私たちも喜んだし、今日、日本代表が勝てば、ベトナムの人もきっと喜んでくれる。私たちはアジアのひとつの家族だから」。
しかし120分の戦いを終えPK戦となり、駒野選手の失敗に、誰もが言葉を失った。南アフリカのスタジアムに日本人の涙が落ちた。ベトナムにいる日本人も涙を流した。彼らは幸運の女神が微笑まなかったことを惜しんだ。私たちもまた、日本の敗戦を惜しんでいる。