パーティー出席業――外国企業の進出が相次ぎ、注目を集めてブランドの競争力を高めようとする企業が増えるなかで、そんな羨ましい仕事が現れるようになった。この仕事に就くことができる人は有名人でなければならず、知名度があるほど、報酬も大きい。
現在ではどのブランドも、何らかの機会に顧客と会うようなことがあれば、有名人を呼ぶ。ひとつ、それは雰囲気をより豪華にするためであり、ひとつ、それは有名人がいれば、メディアに取り上げられやすいからである。
パーティー出席業が生まれたのはおそらく、イベント会社によってである。有名人を借りることで、ファンの目に企業の活動を追わせ、現在はどのイベント会社も、有名人とそのギャラの長いリストを持つ。パーティー出席で自分のアピールにもなる有名人も通常、イベント会社に仲介料としてギャラの10?20%を戻すようになっているという。
企業で特定の有名人をパーティーに呼びたければ、費用もそれなりになる。そのため賢いやり方としては、いくらぐらいのギャラの人に来てもらいたいか予算を示し、イベント会社が提供してくれるリストから選ぶ方法である。
最もギャラが高いのはミスで、これにトップモデルと人気俳優が続く。例えばあるブランドのパーティーで、モデルHや俳優Tは、いずれも1,000ドルを要求した。ただこれは、その場に登場しニッコリ笑うだけ、の価格で、何か商品についてコメントが欲しければ「1,000ドル追加ね」となる。現在の一般的なギャラは500?700ドルといったところだが、20人も集めれば1万ドルはゆうにかかる。
パーティーでアピールする商品が高級になるほど、ギャラ交渉は簡単になる。一般的な商品なら、有名人を呼ぶのはかなり大変だ。例えば化粧品や自動車ブランドなら、有名人へのギャラは数百ドルで済むかもしれないが、洗剤やヌクマムなら、1,000ドル以上出さなければ、来てもらえないかもしれない。
ただモデルや俳優らのギャラつり上げによって、外国企業は歌手を招く方向に切り替えるようになった。安く済み、イベントで歌ってもらうこともできるからだ。歌手はパーティーで舌鼓を打っている最中に、「では1曲」と頼まれても喜んでステージに上がる。
一方で大手ブランドがこういった手法をとるようになったことで、中小企業も波に巻き込まれ、苦しむようになっている。
ある国内ファッション企業の社長によると、「有名人を呼ばなければ流通業者に軽く見られる。だが呼べば懐が苦しくなる。先日の新コレクションの発表では、並のモデルを何人か呼ばなくてはならなかったが、それでも1人当たり100万ドン(約53ドル)は払った」。また例えばモデルなど有名人とは何の関連性もないものの、風潮に流され創立パーティーなどに有名人を呼ぶ企業もある。ブンタウのある石油関連の企業は、有名なMCやモデル、俳優を招き、それぞれ3,000万ドン(約1,580ドル)支払っている。