中華料理ほど量で豊富ではなく、インド料理のように味は濃くないが、日本料理はその上品な味から好まれている。小さく、美しく、風味豊かな日本料理は、やさしく、でも魅力的だ。ベトナム人にも親しまれるようになっており、その心を掴みつつある。
ホーチミン市地域には、日本式の飲食店がおよそ100店あると見られる。在住日本人だけでなく、旅行者やベトナム人も訪れており、週末や祝日には客で混み合う。
SunLife Media社のPR部長チャン・ヴィエット・クアンさんは、「日本人パートナーが非常に多いので、よく一緒に日本料理を食べに行きます。食べるとやみつきになるんです。今では週4?5回食べることもありますよ」と話す。
1区のロアンさんも、「日本の伝統料理は詳しく知りませんが、寿司が大好きで、子供に寿司の名前をつけようと考えたことも」と言う。
卒論を通じ日本の飲食文化について知ったという民間企業に勤務するイエン・ズンさんはこう話してくれた「知れば知るほど、生活や茶道、華道だけでなく飲食文化も洗練され、独特だと感じるようになり、本当に引き込まれました。これが、月はじめの日曜日に日本料理店に足を運ぶ理由です」。
また日本料理店に訪れる客だけでなく、何かの集まりの場や、友人のパーティーなど、家庭でもその姿が見られるようになっている。
7区のミー・ハインさんは、「健康的ですし、よく家族で日本料理を食べに行きます。でも最近は仕事が忙しく前のようには行けず、料理教室に通い、それからスーパーで材料や調味料を揃え、家で作っています。こうすればお金も節約できます」という。
若者やティーンたちも日本料理に興味を持っており、その珍しさや便利さから、お弁当が人気を集めている。学校にお弁当を持っていくという高校2年生のタン・チュンさんによれば、多くの友人が、彼のお弁当に興味を持っているそうだ。