国際社会で活躍できるスキルを身につけさせるべく、インターナショナルスクールに子供を通わせる親は多い。しかしそこでのベトナム語やベトナムの歴史、地理、道徳といったものの学習に関心を持っている親は、どれくらいいるだろうか。
「9?10歳の生徒たちが英語は流暢でも、ほとんどの場合でそれをベトナム語で表現できないことに驚かされる。目を閉じて聞いていれば、まるで外国人が話しているよう」あるインターナショナルスクールの教師はこう話す。生徒には、ベトナム語で話せないことで父親に怒られ、ベトナム語の勉強に行かされる例もあるという。
あるインターナショナルスクールでベトナム教育訓練省のカリキュラムを教える教師は、「うちではベトナム語や歴史、地理、道徳といった教科は課外と見なされている。学習成果は生徒の成績に反映されず、勉強しても1日1時限程度」。
今日はベトナム語を教えれば、自然社会は教えず、道徳を教えれば歴史は教えない、といった具合だという。これらの教科は学校も重視していないため検査も少ない。専門的に教えられるものでないため、学習用具も整っていないそうだ。
ホーチミン市教育訓練局の小学校教育室長レー・ゴック。ジエップ氏によると、規定に照らせば外国のカリキュラムで教えるインターナショナルスクールは、外国人の生徒しか受け入れてはならない。しかし近年教育訓練省は、試験的にベトナム人の生徒を受け入れることを認めている。
外国のカリキュラム以外に各校は、ベトナム人生徒には、教育訓練省のカリキュラムにより1?3年生でベトナム語、道徳、自然社会を、4?5年生でベトナム語、道徳、歴史・地理を教えなければならない。しかしホーチミン市にはインターナショナルスクールが15校あるが、この規定を守っているところはわずかしかない。