ダクラク省エアカー県赤十字会では、貧しい環境にある優秀な児童に牛を贈るプログラムを実施している。
2004年から始まったこのプログラムの立案者はグエン・ティ・ホア県赤十字会長、当初はわずか20頭・6,000万ドン(約3,529ドル)相当の種牛しかなく、3村の貧しい児童20名を対象とした。
その時の約束は、「勉強を諦めず、毎年前年より良い成績を収めること。牛が初めて出産した後にその牛が自分のものになり、子牛は別の貧しい児童に渡すように」というもの。これまでに20頭の牛が産んだ子牛の数は40頭に達している。
エアサー村のヴオンくんは5年連続で優秀者に選ばれており、もうすぐ中学へ進学する。そんな彼の所に牛がやって来たのは今年2月のこと。母親は、「家があまりにも貧しく、兄のラムには15歳で学校を辞めて、働いてもらわねばなりませんでした。幸いヴオンは牛がもらえ、学習意欲が湧いてきたようです」と話す。
「子牛をたくさん産んで、学校へ行くお金がもらえるよう、来年はもっといい成績が取れるよう勉強して、牛も一生懸命育てます」とヴオンくんは嬉しそうだ。
エアソー村に暮らすラムさん一家は、牛をもらってから3年が経つ。「牛がもたらした経済価値はまだあまり大きくありませんが、私たち夫婦は苦しい生活を乗り越える力をもらい、子供達は勉強に励むようになりました」とラムさん。
長男ドゥックくん(小学5年)と妹のハインちゃん(小学3年)は優秀ながらも、貧しさゆえに退学の文字がいつも傍にある。牛が家にやって来たことで、ラムさん夫妻は家が豊かになるよう、子供が勉強できるよう更なる努力をする力をもらい、ドゥックくんはより勉強に励むことにした。