赤ちゃんがいなくなった」北部ランソン市に住むヌン族のケオさん(28歳)は、悲痛な声で話した。
ケオさんがランソン総合病院の産婦人科に入院したのは3月13日。同日21時過ぎに帝王切開で男の子が生まれ、15日午後に彼女と赤ちゃんは産科の一般病室に移った。
ケオさんはベッドで眠り、その間は母コンさんが赤ちゃんを抱いていた。すると病室に、34歳くらいで身長160cmほどの女が現れ、コンさんに笑って話しかけた。「疲れたんでしたら代わりましょうか? 私も隣の人間の付き添いなんですよ」。
そう言って女は赤ちゃんを手にした。間もなくコンさんはふとまぶたが重くなり、いつの間にか眠りに落ちていた。そして夕方ケオさんが眼を覚ますと、すでに赤ちゃんはいなかった。
産婦マイさん(30歳)によると、この不審な女は14?15日の午後に姿を見せ、マイさんにも「抱いてあげますよ」と声をかけてきた。しかしながら不審に思った彼女は渡さなかったという。
病院によるとこのような事件は過去になく、すでに公安の捜査が進められている。不審者が容易に侵入し、赤ちゃんを連れ去ったことに対する病院側の責任問題について副院長は、産科病棟は付き添いの家族が大勢いて、さらに日曜日に重なったという事情を説明した上で、「厳正に対応する」と話した。