ブーさんは1月20日、ヴィンロン省公安道路交通警察室に1億500万ドン(約6,600万ドル)の賠償を求める陳情書を省公安長に提出した。無違反にもかかわらず、車両に関係する書類を54日間にわたって没収され被害を被ったという。適切な賠償がなければ、裁判所に告訴するつもりだ。
昨年11月24日、ブーさんは積載量11トンのトラックに10.8トンの荷物を載せ運転していた。ハウザン省からホーチミン市に向かう途中で、ヴィンロン省に入ったところで交通警察の検査を受け、積載量を1.7トン超過しているという書類を作成された。
納得のいかなかったブーさんは「積載物・さとうきび10.8トン」と記された製糖工場の車両積載検査書を提示。しかし検査隊はこの書類に価値がないとして違反書類を作成した。彼が書類への署名を拒んだところ、検査隊の1人がトラックの書類を取り上げ、翌日処理するため検査所に車を留め置くよう求めた。
その後ブーさんが道路交通警察室に車両の再計測を求めると、12月26日に他の警官が前回と同じ計測方法で作業を行い、今度は1.3トン超過とされた。ブーさんは、行われた計測方法には誤差があるとし、署名に応じず再計測を求めたが、警察は認めなかった。
処理に納得できなかったブーさんは、省警察監査部に陳情した。1月19日、省公安はトラックを南部石炭社ヴィンロン支店に運び再計測。すると最大積載量より1.5トン以上も軽く、トラックは返却された。
ブーさんが陳情した後、省公安監査部は書類を没収されていた期間の詳細な損害を書類にするよう求めたが、12月26日に交通警察室グエン・ヴァン・バイ副室長は、「運転手が困難な状況にあるため処分はしない」とし、書類を受け取りに来るよう求めた。
注目すべきは、交通警察が無違反の車両に対し違反書類を作成し、ブーさんが異議を唱えたのと同じ日に、バイ副室長が75万ドン(約47ドル)の罰金と30日間の免許停止という処罰決定に署名していたことだ。
さらに決定は11月24日に署名されていたが、省公安が車両の再計測をする前の2009年1月19日になって初めてブーさんに転送され、計測で最大積載量より1.5トン以上も軽いことが分かり、はじめてトラックの書類は返却された。
1月21日朝、バイ副室長はこれらの事実を認めたが、昨今は多くの運転手が公安対策として測量検査書を購入しており、製糖工場の車両積載検査書も認められないとした。さらに、公安省が支給し交通警察が使用している計測器は全国で検定されているもので、ブーさんの他のやり方での再検査要求も不適当とした。無違反の車両が罰せられた理由については、違反書類が作成されたので処罰を決定しなければならず、これが正当であったかどうかは裁判所が判断すると説明した。