国内の偽造運転免許証だけにとどまらず、本物の運転免許証へ書き換えるため、最近は海外の免許証も偽造されている。
ホーチミン市在住のTは、市の運転免許証交付・試験管理委員会を訪れ、ロシアの運転免許証からの書き換えを申請した。委員会の責任者は、総領事館で確認でき次第、書き換えが可能と告げたが、Tが、自分がパイロットで数カ月も待てないと話したため、委員会は書き換えを認めた。しかし8月上旬、在ホーチミン市ロシア総領事館は、ロシアの関連機関がこの人物に運転免許証を交付したことはないと認める文書を出した。
またここ数カ月、カンボジアからベトナムへ持ち込まれた免許証の書き換えを申請する例が9例あったが、いずれも市関連当局により摘発されている。なかには、カンボジアに行ったことのない者や、旅行で数日訪れただけの者もいるという。
市運転免許証交付・試験管理委員会のズオン・トゥ・ルック委員長によると、ロシアとカンボジアの偽造免許証を持っていたケースでは、所持者が書き換えの機会を窺っていたと話している。これらの件は、現在捜査機関でも調査が進められている。
偽造免許証がはびこる状況を前にルック氏は、国家管理機関が樹脂製の免許証を早期に作成することが必要だと話している。樹脂製カードにチップを埋め込むか、バーコードを印刷することで、偽造を防止できる。