ホーチミン市タンビン区人民裁判所は、ベトナム航空総公社を相手取り紛失物相当額の賠償と謝罪を求めた利用者の訴えを受理した。
ヴィーさんは2007年10月9日夜、ホーチミン市発ハノイ行きのVN2366便に乗った。荷物を預けた過程でかばんが破れ、カメラや充電器一式、メモリーカード等を紛失し、到着地ノイバイ空港でベトナム航空は荷物の破損を記した文書を作成、ヴィーさんは紛失物の申告手続きをおこなった。弁償については、後日通知するとされた。
10月30日になりベトナム航空から返事があり、そこには受託手荷物が紛失した、或いは重量が減少している場合の補償責任限度はキロあたり20ドルで、ヴィーさんの場合は最高120ドルの補償に同意するとあった。しかしヴィーさんはこの額を受け入ず、紛失物相当の補償を要求したが、ベトナム航空側の答えは変わらなかった。
ヴィーさんは、物質的なものだけでなく、出張で使用する全情報を失い、仕事に支障が出るばかりかパートナーに対する信頼にも傷がついたとしている。ベトナム航空側が、民事法にも合わないあいまいな規定を利用し解決しようとしたため訴訟に踏み切った。
今年6月2日に裁判所は和解のため双方を呼んだが、ベトナム航空側の答えは変わらず、裁判となれば紛失した荷物と破れたかばんの代金として80万ドン(約50ドル)の補償しかしない方針だと言う。善意に欠けるベトナム航空側の対応により訴訟はやむを得ないもので、ヴィーさんは、最後まで戦いつづけるとしている。
これについてファム・タン・タン弁護士は、航空法によると、輸送者は荷物を預けた人に対する補償責任があり、荷物紛失時の補償額は実際の額とされるべきで、紛失物の重さで計算するものではないとしている。
民事法593条でも、他に合意や規定がある場合を除き、輸送者の過失により利用者の財産が紛失、損害を受けた場合は、その損害を補償するよう規定している。