日曜の午前2時、私と同僚はタンソンニャット国際空港にいた。最近完成したターミナルはモダンで、とても美しい。
チェックインを済ませ搭乗券を受け取り、出国ゲートに向かう。荷物の検査のため、私は重い荷物を機械に載せる。特に何もなく、そのまま出国ゲートへ進んだ。
窓口にいたのは若い係官。私のパスポートを受け取り、出入国カードをひっくり返し見た後、パソコンになにやら打ち込む。3分が過ぎたが、まだ彼はキーボードを叩いている。
なにやら打ち込む量が多いような気がしたので密かに数えてみると、その数60回以上。そして4分かかってようやく、幾度となく出国をしている1人の人間が、出国ゲートを抜けることができた。
我が国が使用している出入国管理ソフトが現代的でないのか、それとも出入国の手続きに複雑な段階を経なければならないのかわからないが、手続きはあまりにも長い気がする。出入国窓口の前にできる長蛇の列、20?25分待ちようやく自分の番が来るという状況に、私はベトナム旅行の将来に不安を感じた。
訪問客を手厚くもてなすというベトナム人の心のように、快く迎えられ、そして見送られていると旅行者は感じないのではないか。そしてこの状況に、旅行者はまた来たいと感じるだろうか。
シンガポールでは空港が非常に機能的で、飛行機から降り、荷物の受け取り所まで行けば、すぐに自分の荷物を見つけられる。シンガポールには数十回と訪れているが、一度たりとも、1分たりとも、待ったことはない。
出入国ゲートでも礼儀正しく、制服に身を包んだ係官は笑顔で対応する。それはまるで「何度でもいらして、たくさんお金を使ってくださいね」と言わんかのようだ。手続きも30秒とかからず、旅行者の貴重な時間を失わせるのを恐れるかのようだ。
玄関から満足が得られることで、旅行者はきっと、この国のGDPに多くの貢献をするのだろう。
シンガポールでは、旅行者の荷物を必要以上に検査しない。現代的な監視システムがどこかに設置されているのだろう。旅行者は荷物を受け取り、カートを押すだけですむ。重い荷物を上げ下ろしするほど大変なことはない。入国は簡単で素早く、出国となるとさらに迅速だ。
昨年の夏にはパリに行く機会があった。習慣から入国カードを探したが、ヨーロッパはこれを撤廃していた。出入国係官は非常に専門的で、迅速で、パスポートを何かで照合することもなく、ページを開き、ビザを確認し、入国許可のスタンプを押すだけ。10分ほど列に並んだ後、30秒で終了する。出入国業務のグローバルスタンダードはすでに、「30秒」となっているのだろう。