アメリカの大学で教えていた頃、Tシャツに短パン、サンダル履きという学生の姿をよく見かけた。
教員に挨拶する時彼らは、苗字でなく名前で呼びかけ、なかには「Hey!」とだけ言う者もいた。私には、これがあまり面白いものでなかった。教員に対する尊敬の念が表されていないからだ。
小学校や中学校で学校教員は、忙しい保護者に代わる、昼間の子守り役と見られている。また多くの学校で教員は、脅威を感じることもある。ニュースによるとテキサスのある学校では、教員が学校に銃を持ち込み、授業中に携帯することが認められた。ユタ、ペンシルベニア、ネバダ、オレゴンといった別の州でも同様に、教員が教室内に銃を持ち込むことが認められている。米国の一部の学校には、武器を携帯した警察隊があるところもある。
しかしベトナムは違う。
ベトナムで英語を教える外国人教師の多くは、いずれもベトナムの学生が素直で、礼儀正しいという印象を受けている。
その証拠が、常に彼らが頭を下げて挨拶し、また尊敬の念をこめて「先生」と呼ぶことだ。これは外国人教師にとって、とりわけ印象的なものだ。美味しい食事、美しい風景、優しい人々だけでなく、礼儀正しいベトナムの学生達に、外国から来た教師たちは心を奪われている。