ホーチミン市ビンタイン区に住む同僚Cさんの息子は、2005年に公立小学校に入学した。担任教師は午前と午後の授業の後、さらに17時半?20時半の間、彼女の自宅で行う補習に参加するよう案内していた。
Cさんは学校を終えた息子を迎えに行き、夕飯を食べさせて教師の家へ送っていく。その後職場に戻って仕事を片付け、息子と共に帰宅するのは22時を過ぎたころになる。
2学期は補習への参加をやめ自宅で家庭教師を雇うことにした。担任教師は「かまいません」と言ったが、成績表には0点をつけ、連絡帳には「思考能力が欠如している」、「知識が不足している」と記した。子供が、先生が怖いから休みたいと泣きながら訴えたこともあったという。
朝7時10分、Cさんが学校へ送っていくと、守衛に「こんな時間まで寝ていたのか」と罵られ、午後迎えに行くと、補助教員に「何もしていないのにこの子を叩いてケガさせたんですよ」と言われた。それから彼女に月5万ドン(約3ドル)の謝礼を払うようになった。
黒板からわずか2mのところに座らされていた子供はドライアイになってしまった。Cさんが先生に事情を話すと、今度は一番後ろの席に移動させられた。仕方なく教師の自宅での補習に申し込むと「強制ではありませんよ」と言いながらも席は真ん中あたりになり、そして成績も上がった。
2年生に進学するとき、Cさんはインターナショナルスクールへ転校させることを決めた。登校すると守衛が親のバイクから子供を下ろしてくれ、門のところで先生達が挨拶をして迎えてくれる。
ある日、息子が学校でてんかんを起こしてしまったことがあった。学校側はすぐに第2児童病院に運び、Cさんが駆けつけたときには2人の教師と守衛がベッドの脇についてくれ、彼に心配ないと声をかけてくれた。
その日の夜、自宅に帰るとクラスメートから具合を尋ねる電話がひっきりなしにかかってきて、次の日にはお見舞いの品まで持ってきてくれる子もいた。学校では英語を勉強したり非常に有意義に過ごしている。夜勉強するためにスクールバッグを持ち帰る必要もないという。
先生はその子に肥満の恐れがあるので野菜を多く採り、糖分や脂肪分を控え、運動を良くするよう指導しており、そのおかげで今も肥満の心配はないという。
インターナショナルスクールの学費は月170万ドン(約106ドル)。公立校では、昼食や施設費など毎月68万ドン(約43ドル)を学校に納めた他、担任教師や専門科目の担当教師、補助教員へ支援金を渡したり、補習授業費を払ったりして非公式な支出を含め毎月計155万ドン(約97ドル)になっていた。
それ以外にも保護者会費や教師の日、テトなどの贈物への支出もある。いずれも教師や守衛の間で習慣になっているものだ。