技術的な問題から、ベトナムの航空会社では、機内での携帯電話使用を認めていない。
約1年前、ビナフォンとモビフォンは、ベトナム領空を飛行する外国航空会社向けに、機内電話サービスを始めた。搭乗前にローミングサービスをアクティブにすれば利用でき、2013年10月から通話料も1分9万ドン(約4.5ドル)から7万ドン(約3.5ドル)に引き下げられた。
ビナフォン担当者によると、現時点でベトナムに乗り入れる外国航空40社あまりのうち約20社でローミングサービスを展開している。同社はベトナム航空の国際線を手始めに国内航空会社でもサービス提供に取り組んでいるが、まだ結果は出ていない。
機内ローミングサービスの提供は、通信キャリアのみならず、航空会社と航空機メーカーの設備投資にも左右される。
以前、世界各国の航空法では、機内での通話が禁止されていたが、衛星技術の進歩で現在この原則はなくなっている。「ただ、サービス提供には航空機にあった接続設備が必要。設備は航空機メーカーで製造され、技術と安全面で基準を満たすものだ。現在、機内での電話サービスの提供を認めている機材は主にエアバス社製」とビナフォンの担当者は言う。
ベトナム航空は、飛行の安全と経済的利益から、国内・国際線のいずれでも通話を認めていない。「サービス導入には設備の設置が必要で、機材も新型でなければならない。メーカーは、旧型機材への設備設置を認めていない」と同航空側は話している。