この3年で、ダラットの花卉輸出は量、金額ともに増加している。2006年は6,500万本で890万ドルだったが、2007年には前年比37%増の8,860万本、2008年には同11%増の9,500万本に上った。2009年は世界経済が困難な状況にあるものの、年初3カ月の輸出量は前年比84%増の2,700万本、輸出額も5.5%増となっている。
2008年、ダラット花バイオ社は100万本のドライフラワーを日本市場に輸出し、2009年も200万本を輸出する予定だ。グエン・ディン・ソン社長によると、現在ドライフラワーは注文に追い付いていない状態だ。
生花やドライフラワーの輸出とともに、人工的に開発された種の輸出も拡大している。ここ数年、ダラットにおける花の栽培面積は年平均20%の伸びを維持し、栽培面積は2001年の320haから2009年には650haに、切花の生産量は2001年の1億5,000万本から2009年には9億本を超えるようになっている。ここ3年で、科学設備やバイオ技術の導入、花卉栽培が地域経済に大きな影響を持つ産業になったことなど大きな変化があった。
ダラットの花卉産業は、国内市場から日本、シンガポール、台湾、中国、タイ、EU、オーストラリアといった潜在性があり難しい大市場へと向かっている。最近の新市場開拓から、ダラット産の花がそのブランド力をつけてきていることが分かる。
しかしながら輸出は、その98%がHasfarm社、Boniefarm社といった外資企業の手によるもので、農家は自分達が栽培した製品の出荷先さえも知らない。多くのパートナーが参入してきたが、収穫時期も統一されておらず、収穫後の包装も手作業で行われており、逃したチャンスも多い。
2008年、シンガポール政府関係者がダラット市を視察し、日本、オランダ、中国に劣らない花卉栽培環境があると評価した。市民も勤勉で、花をこよなく愛しているが、さらなる工業化のための投資をしなければ、競争はしていけない。栽培農家や企業は現在、市中心部に観光客が来たり、売買、鑑賞ができる生花市場の建設を願っている。