笑う門には福来る――そんな諺もあるが、シャム社の社長レー・タイン・トゥーさん(25歳)について言えば、笑顔はビジネス成功の出発点でもある。
笑顔はトゥーさんが授かった魅力で、彼女はベトナムではまだ珍しい、コンパニオン業界のパイオニアだ。2008年、アジアの優秀な若き経営者26人のひとりにも選ばれた。
トゥーさん独特のはにかんだ笑顔こそ「ベトナムの微笑み」だとある外国人は言う。彼女は留学先の仏リヨンで自らの国を紹介するプログラムに参加した際や、大学の卒業論文のテーマに「ベトナムの微笑み」を選んだ。
「ベトナムの微笑み」はその時から、今日の成功までずっと彼女の後をついてきている。
リヨンで中小企業の設立とマネジメントについて5年間学んだ後の2006年、会社設立の意志を持って帰国した。世界の友人に「ベトナムの微笑み」を紹介したいという想いから、コンパニオン業界という非常に斬新なジャンルを選んだ。
「ベトナムでは接客という業界はまだ確立されておらず、質も良くありません。私の目的は、接客のプロを育成し、ハイヒールで8時間立っていても笑顔を忘れない人間を輩出することです」と彼女は話す。
団結力、忍耐力のある社員の採用や組織作りに2年を費やした。そして採用や会社の文化作りをする上で最も大切にしたのは、笑顔を絶やさないことだ。「私の会社に来たら、みんな笑顔にしなければなりません」と話すトゥーさんが外国で学んだ、常に笑顔でいるための秘訣は「責任転嫁しないこと」だという。これは困難に対して前向きに、他人のせいにせず、あやふやにしないということだ。
このような考え方のもと、彼女の小さな会社は世界の経済危機の中でもその方向性を見失っていない。トゥーさんは、経済危機のなかで中小企業は、小さい船のようにすばやく柔軟に舵取りできると話す。
困難に対し様々な方法を試し、そのなかで最適なものを選ぶ、これにより会社の2008年の売上は、前年の3倍を達成した。現在会社はハノイ市とホーチミン市に事務所を持ち、997人の契約労働者を雇用している。
将来は養成学校を作り、接客業をれっきとした職業に変えたいと思っている。ベトナム青年企業家協会の最年少者としてTuさんは、ベトナムの若者に団結、大志、突破、発展というメッセージを発信している。